「白髪染めをすると白髪が増えるから、やらないほうがいい」と聞き、白髪染めをさけている人はいますか? また、「白髪染めをしてせっかく白髪を隠したのに、伸びた髪の根元に今まで以上の白髪がある」という経験がある人はいますか?
私は40歳代で白髪が目立ち始め、それ以降、白髪染めをしていますが、確かに以前と比べると白髪の量が多いです。白髪が増えたのは、白髪染めが原因なのでしょうか。
調べてみると、白髪染めに含まれる成分が原因で白髪が増えるとはいい切れないようです。このページでは、白髪染めと白髪が増える原因の関係についてお伝えします。
このページの目次
白髪染めで白髪が増える原因
私は、白髪染めを始めた頃から比べると、今現在はかなり白髪が多くなっています。白髪が増えるのは、白髪染めに含まれる成分のせいなのでしょうか。それとも他に原因があるのでしょうか。詳しくみていきます。
白髪染めに含まれる過酸化水素水
過酸化水素水は、脱色作用や殺菌効果がある物質です。そのため、多くの日常品に使われています。白髪染めをはじめとするヘアケア製品や消毒液、漂白剤などに配合されています。また、食品の洗浄や消毒にも使われています。
白髪染めの場合は、髪を脱色するために過酸化水素水を配合しています。過酸化水素水を含む白髪染めを何度も使っていると、過酸化水素水は少しずつカラダに蓄積されていきます。
また、先ほどもお伝えしたとおり、日常生活の中でもまん延しているため、カラダが過酸化水素水を吸収している可能性は高いです。そのため、過酸化水素水はさらに蓄積されてしまいます。
過酸化水素水は、消防法でも指定されている有害な物質です。カラダに蓄積された過酸化水素水は細胞やDNAにダメージを与えます。
とうぜんのように、メラニンという色素をつくり出すメラノサイトも傷つけられてしまいます。つまり、メラニンが作られなくなるため、白髪になってしまうのです。
この点では、白髪染めも白髪が増える原因の一つといえます。
ただ、お伝えしているとおり、過酸化水素水は白髪染め以外の日用品にも多く含まれています。白髪染めに含まれる過酸化水素水だけが白髪の原因とはいいきれません。
白髪染めで髪が傷み白髪が目立つ
ジアミン系などの強い薬剤を配合している白髪染めを使い続けていると、頭皮や髪にダメージが残ります。特に髪がゴワゴワしてきたり細くなってきたりすることがあります。
髪が傷んでくると、白髪が浮いて目立つようになります。そのため、白髪が増えたように感じます。よって、白髪染めをしたせいで白髪が増えたと思うのです。
染めた髪の中で白髪が目立つ
白髪を染めると、髪が伸びてきたとき、染めた髪色と白髪の白色との差がはっきりしているため、今まで以上に白髪が目立ちます。そのため、白髪染めをしたあと白髪が増えたように見えます。
また、自分で染めるときは、染め残しがある可能性が高いです。染め残しの白髪は気になります。そのため、白髪染めをしたため白髪が増えたように感じます。
白髪が増えることは自然なこと
白髪染めをしてもしなくても、白髪は年齢とともに増えます。これは自然なことです。
白髪染めをして白髪を隠してから髪が伸びるまでの間に、多少なりとも白髪は増えています。そのため、「白髪を染める前はこれほどなかった」という印象をもち、白髪染めをしたから白髪が増えたのではないかと勘違いするのです。
気にしていると、白髪に目が行く
人の脳は、気にしていることに目が止まります。たとえば、腕時計がほしいと思っていると、人がしている腕時計に目がいきます。
これと同じで、白髪を気にしていると、つい白髪に目がいきます。そのため、白髪がどんどん増えているイメージを持ってしまいます。
白髪を気にしながら白髪染めをしていると、白髪染めをしたため白髪が増えたように思えるのです。
白髪になる仕組み
髪は、髪の根元にある毛母細胞(もうぼさいぼう)が分裂をくり返すことで作られていきます。このとき、同時にメラノサイトという細胞が色素(メラニン)を作り出し、髪に色をつけていきます。
本来、髪の色は無色です。日本人の場合、メラノサイトが作り出す色素が黒色のため、髪の色は黒く見えるのです。
黒髪が白髪になるのは、何らかの原因でメラノサイトが正常に働かなくなり、メラニンが作られなくなったためです。
白髪になる原因をさぐるには、なぜメラノサイトが正常に働かなくなるのかを追求すれば良いのですが、その原因はさまざまです。
白髪になるさまざまな原因
お伝えしたとおり、白髪になる仕組みは毛穴の中でメラニンが作られなくなるからです。メラニンが作られなくなる理由はさまざまで、いまだに研究途中であるといえます。
その中でも考えられる原因をいくつか簡単に紹介します。さらに詳しい説明と改善方法はこちらをどうぞ。
加齢
生きている限り、カラダは年とともに老化していきます。その中で髪をつくる毛母細胞や色素をつくりだすメラノサイトも老化するのは普通のことです。
そのため、黒色色素であるメラニンが作られなくなり、黒髪は徐々に白髪になっていきます。
ストレス
日常の生活の中で、ストレスを感じないで過ごすことは難しいです。メラノサイトは、ストレスの影響を受けやすい細胞といわれています。
ストレスを受けると、カラダの活動を高める交感神経と、カラダを休める副交感神経のバランスが崩れます。つまり、自律神経が乱れる状態になるということです。
自律神経が乱れると、血流が悪くなり毛根まで酸素や栄養分が運ばれにくくなります。その結果、健康的な髪も育たなくなりますし、メラニンが作り出されなくなるため、白髪になるのです。
首コリ
先ほど、「ストレス」の項目でもお伝えしましたが、血液の循環が悪くなると、白髪が増えます。
首には、カラダと頭をつないでいる大切な神経や血管がつまっています。首がコルということは、大切な神経や血管を締め付けている可能性があります。
つまり、首の血管を通って運ばれるはずの栄養分が正常に運ばれないことになります。その結果、白髪になっていくのです。
眼精疲労
目と白髪は関係ないように感じますが、実は関係があります。目が疲れてくると、目のまわりの筋肉がこってきます。目の周りの筋肉がコルということは、血流が悪くなるということを意味します。
目の位置は、頭皮に非常に近く、目の周りの血流がとどこおると、頭皮の毛細血管まで栄養分が届かなくなるのです。つまり白髪になるということです。
寝不足
寝不足の状態でぼっとしているときは、十分な血液が頭に届いていない状態です。血流が悪く、酸素や栄養分が十分にとどいていない状態が続くと、細胞の働きが鈍くなります。
とうぜん、メラノサイトの働きも悪くなり、黒色色素であるメラニンをつくる働きが悪くなります。その結果、白髪になるのです。
紫外線
髪は頭皮を紫外線から守っています。しかし、いくらかの紫外線は頭皮まで届いています。つまり、頭皮も多少の日焼けをしているのです。
日焼けはヤケドと同じです。頭皮が日焼けをすると、細胞がダメージを受けます。同様にメラノサイトもダメージを受け、メラニンを作らなくなります。その結果、白髪になります。
栄養不足
メラノサイトがメラニンをつくり出すためには、「チロシン」という成分が必要です。そのため、かたよった食事を続け、チロシンを十分に摂取していないと白髪になる可能性が高くなります。
ただし、チロシンだけを摂取していれば良いということではありません。バランスの良い食事をすることが大切です。
遺伝
遺伝で白髪になりやすい体質を引き継ぐことはあります。しかし、100%の確率で白髪になるわけではありません。白髪の親と同じ環境で同じ食生活を続けていると白髪になるのです。
ただ多くの場合、親子で同じ生活をしているのは普通のことです。そのため、白髪になる確率も高くなります。
白髪染めトリートメントがおすすめ
このページでは、白髪染めと白髪が増える原因の関係についてお伝えしています。これまで述べたとおり、白髪染めと白髪が増える原因はまったく無関係であるとはいいきれません。
白髪染めに配合されている成分が頭皮や髪に悪影響を与えているからです。
しかし白髪は染めたほうが、周りの人から若々しく見られます。奥さんや彼女からみても「自慢できるあなた」に近づくことができます。
実は白髪染めは、過酸化水素水を配合している白髪染めもありますが、使っていない白髪染めもあります。アレルギーの原因とされるジアミン系の薬剤も使っていない白髪染めがあります。
それは、白髪用ヘアカラートリートメントです。ヘアカラートリートメントは髪を脱色せずに髪の表面に色をつけていくタイプの白髪染めです。
髪や頭皮にやさしい成分をメインに配合しているものが多く、さらに傷んだ髪の補修もしてくれます。ヘアカラートリートメントを使うことで、髪にハリがでたりツヤツヤになったりします。
ただし、髪を脱色して髪の内部から色をつけて白髪を染めるタイプの白髪染めとは違い、1度使っただけでは、希望の色に染まりません。数回、続けて使うことで、徐々に白髪が染まっていきます。
徐々に髪が染まることは、数回染めなければならないという手間がかかります。これはデメリットです。
しかし逆に考えると、徐々に染まっていくため白髪染めをしていることがバレにくかったり、白髪を少し残すなどして年相応の髪色にすることができたりします。この点ではメリットともいえます。
髪や頭皮の健康を考え、5年、10年先のことを想うと、強い薬剤を使い1度でしっかり染める白髪染めを使うより、頭皮や髪にやさしい成分を配合し、ハリやツヤがもどる健康的な髪になる、ヘアカラートリートメントタイプの白髪染めをおすすめします。