ドラッグストアに行くと、白髪染めの横にヘアカラーが多く並んでいます。ヘアカラーの種類や色の豊富さを見ると、次のようなことを思うかもしれません。
- 「ヘアカラーにはいろいろな色があるな」
- 「ヘアカラーで白髪を染めることはできるのだろうか」
- 「白髪染めとヘアカラーの違いって何なのだろう?」
実は白髪染めとヘアカラーは、染料の区分では同じ分類に入ります。ただ、それぞれの目的が違うため成分構成に若干の違いがあり、効果(染め上がり)が異なってきます。そのため白髪染めとヘアカラーは、別ものと認識する必要があります。
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白髪染めもヘアカラーも酸化染毛剤(さんかせんもうざい)である
白髪染めもヘアカラーも同じ酸化染毛剤(髪を脱色しながら染める染料)です。染め方は、髪の中の色素を脱色して、そこへ希望の色を入れていく方法です。その結果、髪が染まるのです。
「それでは、ヘアカラーでも白髪は染まるのではないか?」と思うかもしれません。確かに、絶対染まらないということはありません。ただ、仕上がりに違いが出ます。
なぜなら、白髪染めは白髪専用に開発されたものだからです。一方でヘアカラーは、基本的に茶髪や金髪にしたい人向けに作られています。つまりヘアカラーは、白髪を染める仕組みではつくられていないのです。では、それぞれの仕組みについて解説します。
白髪染めとは
白髪染めは、当然ながら白髪を染めるのが目的です。白髪を隠して若々しい自分を取り戻したいという希望を叶えてくれるものです。
前述の通り、白髪染めもヘアカラーも、まず脱色してその中に色を入れていきます。しかし白髪染めの場合、白髪には最初からメラニンという色素がないことと、黒系の色に染めるという理由で強い脱色力を必要としません。
また、白髪染めでは白髪の周辺にある黒髪も同じように染めるため、脱色よりも染めることを重視してつくられています。したがって、頭髪全体が同じ色に染まり、きれいに白髪を隠すことができます。
ただ、染まりにくい髪質(太い、くせ毛など)の方や、地毛の色(黒、茶髪など)の影響によって、パッケージにあるイメージカラー通りに染まらない場合があります。
ヘアカラーとは
ヘアカラーは、白髪を染めることが目的ではなく、黒髪を茶髪や金髪など好みの色に染めておしゃれを楽しむのが目的です。
ただ白髪染め同様、染まりにくい髪質の方は、パッケージの見本通りに染まらない場合があります。
ヘアカラーで白髪を隠すのは可能か?
ヘアカラーでも多少は白髪を染められるので、白髪の量によっては、白髪隠しにヘアカラーを使うことも可能です。
そのためヘアカラーで白髪を隠すのは、白髪の量が髪全体の1割から2割くらいまでが良いでしょう。
白髪染めとヘアカラーのダメージの違いは?
白髪染めとヘアカラーでは、どちらが髪や頭皮に悪影響を与えるでしょうか。
特にヘアカラーの方が脱色力が強いので、白髪染めよりヘアカラーの方が髪を傷めます。
ただ、白髪染めによって一度染めると、元の白髪頭に戻りたくないので何度も染めてしまいます。したがって脱色力の弱い白髪染めであっても、白髪染めを繰り返すことによりダメージが多くなります。
髪や頭皮の健康面から考えると、白髪染めもヘアカラーも髪にダメージを与えてしまいます。そのため白髪を隠したい場合は、髪や頭皮にダメージの少ない白髪染めを使うことが重要になります。
まとめ
このように、白髪染めもヘアカラーも同じ染め方でありながら、その用途によって使い方が異なります。そのため、いまの白髪の量を考慮しつつ、希望の色(黒髪)に染められるように白髪染めを選ぶ必要があります。