「白髪になるとハゲにくい」、「白髪の家系はハゲない」などの噂を聞いたことがあるかもしれません。果たして、都市伝説のようなこの話は本当なのでしょうか。
実は、白髪になる仕組みと髪が生えてこなくなる仕組みは違います。白髪とハゲに直接的な関係はありません。そのため、白髪になればハゲないという話はウソといえます。
しかし、白髪とハゲそれぞれの原因においては共通する部分もあります。つまり、白髪になればハゲる可能性もあるということです。
このページでは、白髪とハゲの仕組みや原因をもとに、「白髪になるとハゲない」噂話を検証していきます。
このページの目次
白髪とハゲに直接の関係はない
白髪になる仕組みとハゲになる仕組みを考えると、双方に直接の関係がないことがわかります。黒髪がつくられることと髪が生成すされることは、それぞれ別のメカニズムです。
白髪とハゲそれぞれが、別の仕組みで成り立っているため、白髪になるだけの人もいるし、薄毛やハゲになるだけの人もいます。さらに、白髪と薄毛やハゲの両方になる人も普通にいるのです。
白髪になる仕組み
黒髪になる仕組みは、髪が生成されるときにメラノサイトという生成細胞が作り出す、「メラニン色素」が髪に入り込むからです。日本人に黒髪の人が多いのは、メラニン色素の色が黒色の人が多いからです。
つまり白髪になる仕組みは、何らかの原因でメラノサイトが正常に働かなくなり、黒色色素であるメラニンが作られなくなることで、黒髪でなくなるということです。
髪は、本来透明です。メラニン色素が入らずそのまま頭皮の外に出てくることで、光の反射によって白く見えるのが白髪なのです。
ハゲになる仕組み
髪は、毛穴の中にある毛母細胞という細胞組織が、細胞分裂を繰り返すことで作られています。この細胞分裂は、24時間365日繰り返されるのではなく、ヘアサイクルという周期で繰り返されています。
ヘアサイクルとは、髪が生えては抜けるサイクルのことです。
ヘアサイクルの中で、髪が成長を続けているときを成長期といいます。男性の場合で3〜4年、女性の場合は、4〜6年といわれています。
成長期が過ぎると毛母細胞の細胞分裂の活動が徐々に弱まります。この時期を退行期といいます。期間は2〜3週間です。
その後2〜3ヶ月の休止期を経てまた髪が作られていきます。新しい髪が作られると古い髪は押し出され、自然と抜けていくのです。
このヘアサイクルが、何らかの原因で乱れると、薄毛になったりハゲになったりします。
例えば、成長期が短いと、産毛の状態で止まってしまいます。そして、休止期が長いといつまでたっても新しい髪が生えてきません。ヘアサイクルの乱れが続くと、最終的に髪が生えてこなくなってしまうのです。
白髪とハゲに共通する原因はある
白髪になることにもハゲになることにも原因があります。それぞれの原因は1つではなく、人によってさまざまです。
そして、白髪になる原因とハゲになる原因で共通していることもあります。以下で、白髪とハゲそれぞれの原因についてお伝えします。
白髪になる原因
白髪になる原因はさまざまです。白髪になる主な原因をいくつか紹介します。
老化現象
白髪になる一番の原因といわれるのが、加齢による老化現象です。人は歳を重ねるとシワも増えますし、老眼にもなります。新陳代謝も落ちますし、血管も硬くなってきます。同様に、老化現象によって黒髪は白髪になっていくのです。
先ほどお伝えしたとおり、白髪になる仕組みはメラノサイトでメラニン色素が作られなくなりためです。つまり、老化によりメラノサイトの働きが弱くなって白髪になっていくのです。
老化のスピードは人により違いますが、老化が原因の白髪を改善することは難しいといえます。
ストレス
外部からの精神的ストレスからも白髪になることがあります。人はストレスを感じると、循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整している自律神経のバランスが崩れます。
たとえば、寝ている間でも内臓は働いていたり呼吸をしていたり汗をかいたりします。起きているときに活発に動けることも自律神経が作用しています。
ストレスを受け自律神経が乱れると、必要以上に汗をかいたり心臓がバクバクしたりします。横になっても寝付けなかったり胃が痛くなったりもします。さらに、血液の流れも悪くなります。
血液の流れが悪くなると、栄養がうまく運ばれなくなります。髪は、頭皮にまで伸びている毛細血管から栄養を得て作られます。メラノサイトの働きも同様です。
そのため、ストレスを受け血行が悪くなると、白髪になる可能性があるのです。
頭皮環境の悪化
健康な髪にとって、頭皮環境が整っていることは重要です。頭皮の下には筋肉がありません。つまり、自分の意思で動かすことができないのです。
そのため、手などを使ってマッサージをしないと頭皮は硬くなってしまいます(中には必要以上に柔らかくなってしまう人もいます)。
頭皮が硬いと、血行不良になります。毛細血管と繋がっている毛穴に栄養を運ぶことができなくなるのです。
また、食事からの栄養が不足している場合も同様です。摂取する栄養が不足していると髪に必要な栄養が届かないため、白髪になるのです。
さらに、寝不足や肩、首コリも頭皮環境を悪化させる白髪の原因といわれています。
寝不足になると頭に十分な血液が運ばれません。そのため、寝不足の時は頭がぼうっとしてしまうのです。この状態が続けば、メラノサイトの活動が活発でなくなりメランン色素が作られなくなるため、白髪になるのです。
肩や首のコリの状態も、血行が悪い状態です。肩や首がこっていると、硬くなった筋肉に血管が押されている状態といえます。この状態では、血液の流れが悪く、必要な栄養が運ばれなくなります。
そのため、メラノサイトに十分な栄養が届かなくなり白髪になるのです。
頭皮環境の悪化は、生活習慣の乱れといえます。生活習慣の乱れによる白髪は、自分で改善することができます。
ハゲになる原因
白髪になる原因と同様に、ハゲになる原因もさまざまです。主な原因を紹介します。
遺伝
ハゲは遺伝するといわれています。男性ホルモンはハゲになる原因の一つです。男性ホルモンを作り出しやすい体質が遺伝すると、ハゲやすい体質になるといえます。
ただ、男性ホルモンが多いすべての人がハゲになるわけではありません。男性ホルモンはハゲになる原因の一つであるということです。
ストレス
白髪になる原因でもお伝えしたとおり、ストレスは自律神経のバランスを乱します。その結果、血行不良になります。
血行不良になると、髪をつくる栄養が運ばれなくなり健康な髪が生成されなくなります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも、ハゲの原因の一つといわれています。
先ほど、男性ホルモンがハゲの原因であるとお伝えしました。歳を重ねることで、男性ホルモンの分泌が弱まると、バランスを保つためにより強い男性ホルモンが作られます。
その結果、強い男性ホルモンが髪の生成に悪影響を及ぼしてしまうのです。
栄養不足
栄養不足もハゲの原因となります。偏った食事や過度なダイエットを繰り返していると、髪の生成に必要な栄養が十分に摂れなくなってしまいます。
髪は、毛細血管から運ばれてくる栄養を毛乳頭という細胞が吸収し、毛乳頭の周りにある毛母細胞がその栄養を元に細胞分裂を繰り返すことで作られます。
髪の原料となる栄養が毛母細胞に届かなければ、髪が作られないのは明らかです。
頭皮環境の悪化
白髪になる原因でもお伝えしたとおり、頭皮環境を整えることは、健康な髪を育てるために重要です。
たとえば、やせている土地にタネを蒔くより栄養豊富な土地で育てる方が良い食物が育ちます。髪も同じです。頭皮環境が悪いと、健康的な髪は育たないのです。
頭皮が硬かったり、血行不良だったりすると、髪の生成に良い影響を与えません。白髪の原因と同様、生活習慣の乱れによる頭皮環境の悪化は、ハゲの原因となるのです。
白髪の人はハゲないという噂はウソ
これまでお伝えしているとおり、白髪になる仕組みとハゲになる仕組みは別のものです。そのため、仕組みから考えると白髪とハゲに関係性はありません。
つまり、「白髪になる人はハゲない」ということはないのです。実際に、頭頂部がハゲていて残っている髪が白髪の人はいます。
白髪になればハゲないのか、という問いに対しての答えはNOといえます。白髪になる人はハゲないという噂はウソなのです。
白髪の人はハゲないといわれるようになったのは錯覚が原因か
では、なぜ白髪の人はハゲないという噂が広まったのでしょう。
確かに、歳をとってもフサフサの白髪をしている人はいます。白髪で髪が残っている人の場合、白髪は老化現象で、頭皮の状態は健康的なのだと思います。そのため、白髪でありながらも髪が多いのではないでしょうか。
ハゲてしまっている人は、そもそも髪がないですから、白髪かどうかはわかりません。
見た目の印象として、白髪よりもハゲの方がインパクトが強いため、無意識のうちにハゲが印象に残り、白髪の人はハゲていないと錯覚しているのかもしれません。
白髪になるとハゲやすいことも
これまでお伝えしているとおり、「白髪の人はハゲない」という話を聞いたことがある人は多いと思います。しかし実は、白髪の人こそハゲる可能性があるのです。
白髪とハゲには共通の原因がある
前述の通り、白髪とハゲそれぞれの原因には共通する項目があります。ストレスや栄養不足、頭皮環境の悪化などがそうです。
ストレスや栄養不足、頭皮環境の悪化は、白髪にもなるし、ハゲにもなるということです。これらの原因で白髪になる人は、将来、薄毛やハゲになるリスクが高いです。
白髪を抜くとハゲる
また、白髪の本数が少ないときに、白髪を抜く人がいます。白髪を抜くということは髪を抜くということです。髪を抜くことは毛穴を傷つけ、髪を作り出す細胞にダメージを与えます。
その結果、細胞が死んでしまい、髪が生えてこなくなる可能性があります。
白髪染めがハゲの原因に
ドラッグストアなどで買うことができる2剤式の白髪ぞめは、強い薬剤を配合しているため、しっかり染まります。
しかし、その強い薬剤は髪や頭皮にダメージを与えます。ダメージを受けた髪は、ゴワゴワになりますし、肌がかぶれたりかゆくなったりします。
さらに、強い薬剤が頭皮に浸透すると、髪の生成を妨げ、薄毛になったり髪が生えてこなくなったりすることもあります。実際に私は、2剤式の白髪染めを使い続けたことで薄毛になりました。
髪の将来のためには、2剤式の白髪染めはおすすめできません。
どのような白髪染めを選ぶのかがポイント
老化による白髪や薄毛は、ある程度しかたがないことかもしれません。しかし白髪やハゲは、見た目の印象が実年齢よりも年上に見られがちです。できれば、少しでも若々しい自分でいたいものです。
白髪の場合であれば、白髪を染めることで、周りの人から実年齢より若く見てもらうことができます。
ただ、注意点があります。どのような白髪染めを使うかが重要です。40歳、50歳代の男性にとって、将来薄毛になるかもしれないリスクをかかえながら、髪や頭皮にダメージを与える白髪染めを使うことはおすすめできません。
髪や頭皮の健康を考える場合、白髪用ヘアカラートリートメントがおすすめです。トリートメント効果が期待できる白髪染めです。
髪にハリとツヤを与えるだけでなく、頭皮環境を整える作用がある白髪染めもあります。白髪用ヘアカラートリートメントで白髪を染めることで、若々しい自分を保つことができます。