お風呂に入ったあなたは、1日の頭の汚れやベタつきをシャンプーで洗い流して、心地よい気分でお風呂からあがることでしょう。
しかし、もしかするとあなたのそのシャンプーの仕方が原因で、白髪になっているかもしれません。間違ったシャンプーを続けていると、白髪が増えるばかりか薄毛になってしまう可能性もあります。
正しいシャンプーの仕方とは、髪を洗うのではなく、「頭皮を洗い、マッサージする」ことなのです。それでは、頭皮を洗うとはどういうことなのでしょうか。ここでは、白髪予防に効果的な、マッサージシャンプーの方法をお伝えします。
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頭皮を洗い、マッサージすると髪が健康になる
もしかしたらあなたは、「シャンプーは髪を洗うためにあるのではないか」と思っているかもしれません。ただ、そのように感じてしまうのはあなただけではありません。多くの方がそう思っているのです。
化粧品会社はテレビCMなどで、「髪をつややかに」とか、「洗うだけで髪にハリとコシを与えます」という表現をしています。これは、私たちの髪の健康を気づかった表現ではなく、自分たちの商品を売り込むための戦略なのです。
このような言葉を日常的に聞いている私たちは、シャンプーでは髪を洗わないといけないと信じこまされているのです。
例えば、あなたは次のようなことを思ったことはありませんか?
- 「フケが出るからしっかり洗おう」
- 「脂っこいからしっかり洗おう」
- 「かゆいからしっかり洗おう」
これらの悩みをよく考えてみると、実は髪の問題ではありません。これらの原因は髪ではなく、頭皮に問題があるのです。つまり正しいシャンプーとは、髪を洗うのではなく、頭皮を健康的にすることなのです。
重要なのは、髪の質より頭皮の質
髪の毛は時間経過と共に勝手に伸びてくることからわかる通り、私たちの髪は成長が終わった毛が自然に抜けるとしばらく休んで、新しい毛が生まれ成長し始めます。
例えば、畑にたくさんの花を咲かせようと、種をまくとします。このとき、あなたならどのようなことを気にしますか?
もちろん種がなければ買ってこなければなりませんが、重要なのは土の状態です。カッチカチでひび割れていてやせ細った土壌に種をまいても、健康的な芽が出てくることは想像しづらいものです。どうせならよく耕してあって、栄養豊富な土壌に種をまきたいものです。
これと同じことが頭皮にもいえます。頭皮がカッチカチの状態では、髪に栄養が行きわたらず、白髪になってしまうのです。
頭皮はマッサージしないとどんどん固くなっていく
頭皮も全身の皮膚と同じような構造になっていますが、一つ大きく違うことがあります。それは、「頭皮以外の皮膚」の下には筋肉があるのに対して、頭皮の下には筋肉がないのです。
それが本来の正しいシャンプーの仕方であり、頭皮を健康にすることが白髪の予防につながります。
指腹(しふく)ではなく指頭(しとう)で洗う
シャンプーのとき、指のどの部分で洗うかはとても重要です。ツメを立ててシャカシャカ洗うのは頭皮を傷付けてしまうので避けましょう。
また、シャンプーのやり方の記事を見ると、「指腹(指の指紋のあたり)で洗いましょう」と書いてある物をよく見かけますが、指腹で洗うのもよくありません。指腹で洗ってしまうと、頭皮をこすることになってしまい、髪を傷つけたり新生毛(新しく生えてきた髪)を引き抜いてしまう可能性があります。
指腹で頭皮をこするのではなく、指頭(指の先端と指腹の間の部分)を頭皮に固定して、頭皮を動かしながらマッサージするように洗いましょう。シャンプーのとき使うのは指頭という部分です。
画像を見ていただければおわかりのように、指頭の場所は「指の先よりも少し指腹に近いところ」です。パソコンのキーボードを打つときに使う当たりです。指頭を頭皮にしっかり密着させて小刻みに頭皮を動かすようにシャンプーしてください。
では、これらのことを踏まえて、実際にシャンプーをしていきましょう。
正しいシャンプーの方法
以下にマッサージシャンプーの方法をお伝えします。これまでのシャンプーをマッサージシャンプーに変えるだけで、頭皮の健康状態は良くなります。ぜひ、参考にしてください。
ステップ1:シャンプーの前にブラッシングする
頭が乾いている状態のとき、ブラシで髪をとかしましょう。お風呂の脱衣所でブラッシングすればOKです。なぜ、ブラッシングする必要があるかというと、理由は二つあります。
一つは、1日経過して髪に付いた自らのフケや周りの環境からのゴミ、ホコリなどをシャンプーの前に軽く落とすためです。もう一つは、からみ合った髪をほどいてシャンプーの時に髪を傷めないようにするためです。
ブラッシングするときは、急がずに、ゆっくり丁寧にやってください。急いでやったり、チカラずくでとかそうとしたりすると、静電気が起きますし、キューティクル(髪の表面をおおっている部分)を傷つけてしまう可能性があります。
ステップ2:シャンプーの前に充分髪をぬらす
シャンプーの前に、髪と頭皮をしっかりぬらしましょう。シャワーなどを使ってたっぷりのお湯でぬらしてください。
シャンプーをつけた時によく泡立つようにするためです。また、乾いた髪にシャンプーをつけてしまうと髪と髪をこすってしまい、髪を傷めてしまいます。そのため、充分に髪をぬらしておきましょう。
ステップ3:シャンプーは手のひらで泡立てる
シャンプーには、界面活性剤(油と水が混じるようにする成分)を含むものが多く存在します。界面活性剤の作用で、成分が髪や頭皮にすばやく働きかけ、汚れや皮脂をはがす仕組みになっています。
そのためシャンプーの量が多いと頭皮に残りやすく、毛根(髪の栄養をつかさどる部分)に悪影響を与えます。
髪の長さや量にもよりますが、シャンプーが多くならないようご自身で調節しながら決めていってください。
そして、手のひらにシャンプーを乗せたら、十分に泡立てます。
多くの方は、シャンプーを手にとってすぐに髪につけ、髪をこすることで泡立てています。これは、髪と髪をこすりあわせている状態です。滑りが悪い状態で髪同士をこすってしまっては、キューティクルを傷つけてしまいます。
そのため、シャンプーは最初に手のひらの上で十分泡立てた後に使いましょう。
ステップ4:髪を簡単に洗う
髪を洗うとき、ブラッシングで落とし切れなかった汚れを洗い落とすことを考えましょう。
前述の通り正しいシャンプー法というのは、頭皮をマッサージしながらきれいにすることです。ただ、髪にも汚れがついています。そのため、まずは髪についた汚れを洗い流してください。
ゴシゴシとこすらず、髪についた汚れや余分な皮脂を泡で包みながら1分以内で洗いましょう。
ステップ5:すぐにシャンプー剤を流す
髪を洗ったら、すぐにすすいでください。この時は簡単にすすぐ感じでけっこうです。このあと、同じシャンプー剤をつけるからです。
ステップ6:マッサージシャンプーをする
先ほどよりも少ない量のシャンプー剤を手に取り、同じように手の上でよく泡立てましょう。
泡立てたら頭につけ、今度は髪を洗うのではなく、頭皮を洗っていきます。頭皮を洗っていくときは、前にもお話したとおり、指頭(しとう)を使ってマッサージするように洗っていきます。
ずっと動かしていない頭皮は固くなっていて、最初は動かしづらいかもしれません。しかし、続けていくうちに頭皮も柔らかくなっていきます。そして日にちが経過するごとによく動くようになります。
そうすれば血行も良くなっていき、髪への栄養が十分運ばれるようになっていきます。それが、白髪の予防につながるのです。
実際には、下記イラストのように両手の指で頭皮をはさむようにしてマッサージします。
このようにマッサージすることで、毛穴に詰まった古い皮脂も浮き出てきます。マッサージの順番は、えり足やこめかみなどから開始して、頭頂部に向かって洗っていきます。
ステップ7:シャンプー剤を残さずすすぐ
汚れや余分な皮脂が洗えたとしても、シャンプー剤が頭皮に残っていては、界面活性剤の作用により頭皮や毛根に害を与えます。シャンプーに使った時間と同じ時間(またはそれ以上の時間)をかけ、しっかりシャンプー剤を流してください。
シャンプーしたあとは、しっかり十分なお湯でシャンプー剤を残さず洗い流しましょう。
まとめ
以上が白髪予防のためのシャンプーの方法です。白髪予防には頭皮の血行を良くするという理由から、シャンプーの方法が重要になります。このとき、頭皮のマッサージを意識しなければいけません。
まずは、正しい方法でシャンプーをして白髪予防をおこなってください。そうすれば、いつでも若々しい姿を保てるようになります。
ただ、それでも年を重ねるとともに白髪が生えてくることがあります。加齢が原因で白髪が生えてきてたときは、白髪染めで白髪を隠すと良いでしょう。