鏡を見て白髪が気になったとき、「数本だから抜いてしまおう」と思い、実際に抜いたことがあるかもしれません。しかし白髪を抜くことで、さらに別の問題が発生する可能性があります。
白髪を抜くことは、けっして良い行為ではありません。白髪は抜かずに、別の対処をしましょう。このページでは、「白髪を抜いてはいけない5つの理由」と、「白髪を発見したときの3つの対処法」についてお伝えします。
このページの目次
白髪を抜いてはいけない5つの理由
白髪を抜くということは、髪の毛を引き抜くということです。黒髪は抜いてはいけないが、白髪は抜いても良いということはありません。黒髪も白髪も大切な髪の毛です。
白髪を抜くことで起こりうる問題点を中心に、なぜ白髪を抜いてはいけないのかを4つの角度からお伝えします。
白髪を抜いてはいけない理由1:白髪を抜いても白髪は減らない
白髪を抜くという行動をとるのは、白髪をなくしたいからだと思います。しかし白髪を抜いても、その場限りの対処でしかありません。白髪を抜いたあとも、また白髪が生えてくるからです。
白髪が生えてくる仕組みは、髪に色をつけるメラニン色素の量が少なくなったからか、またはなくなったからです。その原因を解決しない限り、白髪を抜いてもその後生えてくるのはまた白髪です。
しかも場合によっては、次に生えてくる白髪はまっすぐな白髪ではなく、縮れた白髪になる可能性もあります。白髪を抜くとき、まっすぐである毛穴がねじれてしまう可能性があるからです。そのため、髪がストレートに育たず、変形してしまうかもしれないのです。
白髪を抜いてはいけない理由2:白髪を抜くことで白髪は増える
一般的にいわれていることで、「白髪を抜くと、さらに白髪が増える」という言葉があります。「この話は迷信だ」という方もいらっしゃいますが、私はこの話は全くの迷信ではないと考えます。白髪を抜くことで、さらに白髪が増える場合があるのです。
先ほどもお伝えした通り、白髪になる仕組みはメラニン色素の不足によるものです。白髪が生えてくる仕組みから考えると、白髪を抜くことが原因で、さらに白髪が増えることはないといえます。
ただ髪の毛は、1つの毛穴から2~3本ずつ生えています。そのため白髪を抜くとき、同じ毛穴の髪の毛根を傷つける可能性はあります。
白髪を引き抜く際、同じ毛穴の健康な髪の毛球(毛根部の下の膨らんだ部分)を傷つけ、黒髪にするためのメラニン色素をつくり出すメラノサイトにダメージを与える可能性はあります。メラノサイトが壊されメラニンを作り出さなくなると、黒髪が白髪に変わる可能性があります。
さらに、髪を抜くということは頭皮を傷つけるため、そこから炎症がおき、傷ついた毛根の近くの他の毛根に栄養が十分に行き渡らなくなる可能性もあります。
そのため引き抜いた毛穴だけでなく、その周りの毛穴も炎症の影響を受け、メラニンがつくられなくなり、その結果白髪になることがあるのです。
ただ急に白髪が増えることはないでしょう。おそらく白髪が増えると感じるのは、白髪を今まで以上に気にするようになるからです。髪の毛の表面だけに見えていた白髪を発見したことで、さらに白髪を探すようになるため、白髪が増えたと感じるのです。
白髪を抜いてはいけない理由3:白髪を抜くからハゲるわけではない
前述の通り、白髪を無理に引き抜くと、同じ毛穴から生えている黒髪の毛根も傷つけてしまいます。
毛根を傷つけてもそれを修復し、髪をつくり出す毛母細胞が働き続けるのであれば問題はありません。しかし、白髪を抜くことで毛母細胞の活動が止まってしまった場合、その毛穴からは白髪どころか黒髪も生えてきません。
髪がつくられないということは、ハゲることを意味します。ただお伝えしたいのは、白髪を抜くからハゲるのではなく、髪を抜くからハゲるのです。髪を抜けば髪が減ることは当たり前のことです。
白髪を抜いてはいけない理由4:白髪を抜くと皮膚病になる可能性がある
これまでお伝えした通り、生えている白髪を無理やり引き抜くことは、頭皮を傷つける行為であるといえます。髪を抜くということは、毛球を毛細血管から引きちぎるということです。
毛細血管はもちろん、周りの神経や細胞を傷つけることになります。そのため炎症が生じます。雑菌が入り込む可能性もでてきます。
毛穴周辺が傷つき湿った状態が続くと、そこにブドウ球菌が感染して毛のう炎(毛包炎)という皮膚病になるかもしれません。症状がひどくなった場合は、皮膚科に行く必要があります。
「たかが白髪を抜くだけ」と安易に考えると、思いもよらぬトラブルが発生するかもしれません。白髪は抜かないようにしましょう。
白髪を抜いてはいけない理由5:白髪を抜くことがクセになる
白髪が気になり抜き始めると、髪を抜くという行為がやめられなくなる可能性があります。たとえば、髪をさわるクセがある人がいます。同様に、何らかのストレスや感情の変化にともない、無意識で白髪を抜くというクセが身についてしまう場合があります。
これまでお伝えしてきた通り、髪を抜くと白髪が増えたりハゲたりします。さらに皮膚病になるなど、カラダにさまざまなダメージがおこります。
白髪を抜くことが習慣になってしまうと髪や頭皮を傷めるだけでなく、弊害がおきた結果、精神的な病になるかもしれません。そして、そのストレスでまた白髪を抜いてしまうという悪循環におちいってしまうのです。そうならないためにも、白髪は抜かないようにしましょう。
白髪が気になったときの3つの対処法
ここまで、「白髪は抜かないほうが良い」とお伝えしてきました。白髪を抜いても、白髪がこれ以上生えてこなくなることはありません。白髪の予防にもなりません。根本的な問題は何も解決できないのです。頭皮のトラブルが増えるばかりです。
では生えてきてしまった白髪は、抜かずにどのようにすれば良いのでしょうか。ここからは白髪が生えてきてしまったときの対処法を3つお伝えします。
白髪が気になったときの対処法1:切る
鏡を見て、目につく白髪を抜けば気にならなくなる程度の白髪の量のときは、白髪の根本からハサミを使って切りましょう。
抜いて毛根ごと取ってしまうのではなく、毛根はそのまま残して生えている白髪を切りましょう。その後白髪は伸びてきますが、切った白髪が再び目立つようになるまでには数ヶ月かかります。数ヶ月後、気になるほどに伸びてきたとき、再び切るようにしましょう。
白髪が気になったときの対処法2:白髪の原因を知り改善する
これまでお伝えした通り、白髪になる仕組みはメラニンの量が減ったりなくなったりしたことで、髪に色がつかなくなったためです。このように白髪になる仕組みはあきらかですが、メラニンがつくられなくなる原因は人によってさまざまです。
一般的にいわれる原因は、「老化現象」、「遺伝」、「栄養不足」、「ストレス」、「疲労」、「寝不足」、「血流がとどこおっている」などです。考えられる原因をご自身の生活習慣に照らし合わせて、それぞれ解決していきましょう。詳しくは、「白髪になる原因と対策」をご覧ください。
白髪が気になったときの対処法3:染める
気になる白髪が数本程度で、切ってしまえば目立たなくなるのでしたら切れば良いです。しかし、毎日10本以上切らなければならないほど白髪が増えてしまった場合は、染めることをお勧めします。
「私はまだ若い」と思っていても、白髪が生えているだけで、周りの人からは実年齢以上に見られます。白髪頭の場合、40歳代の人が50歳代に見られることはよくあります。50歳代の人が60歳代に見られることも多々あります。
服装や姿勢を正して、実年齢通りもしくは実年齢以上に若く見られたいと思っても、白髪頭では「年齢の割に若造りをしている人」と見られる可能性もあります。このように思われないためには、白髪を染めることが良いと思います。
白髪染めトリートメントがお勧め
私は白髪が多いため染めています。初めは何も知らずドラッグストアで買ったヘアカラータイプの白髪染めを使っていました。
しかし、数回使っているうちに徐々に髪が細くなり薄毛になりました。ハリもなくツヤもなくなりました。そこでいろいろ調べた結果、白髪染めトリートメント(ヘアカラートリートメント)が良いのではないか、と思うようになりました。
今では、白髪を染めるときは白髪染めトリートメントを使っています。白髪染めトリートメントは、髪や頭皮を健康な状態にしてくれます。アレルギーが出ることもほとんどありません。逆に髪のボリューム感が出てきました。
1度の使用でまっ黒には染まらないため、周りの人に白髪染めを使っていることがバレにくいです。
ただし逆に言うと、徐々に染まるタイプのため、1日でしっかり染めたい人には不向きです。くり返し使うことで徐々に希望の色に近づいていく白髪染めです。
以上のように白髪染めトリートメントは、髪や頭皮に良い成分を配合してあり、トリートメント効果が期待できます。1回の使用で確実に白髪を染めたい人には向きませんが、長く使うことを考えた場合、私は白髪染めトリートメントをお勧めします。