ドラックストアで簡単に買うことができるヘアカラータイプの白髪染めは、1度でしっかり染まり色落ちもしにくく、価格が安いためすぐに白髪を隠したい人には重宝します。しかしその反面、髪や頭皮にダメージを与えます。頭皮がかゆくなったりカブレたりする人もいます。
このように髪や頭皮に悪影響を与えるのは、ジアミン系の成分(髪を永久的に染める酸化染料でパラフェニレンジアミンが有名)が主な原因です。
一方で、ヘアマニキュアタイプの白髪染めは、ジアミン系の成分を配合していません。ヘアマニキュアタイプの白髪染めは、髪の中までしっかり染めるヘアカラータイプとは違い、髪の表面に色をつけるタイプです。
ヘアマニキュアタイプの中でも、とくにヘアカラートリートメント(白髪染めトリートメント)は強い薬剤を使っていません。
ヘアカラートリートメントは、髪や頭皮にやさしく、髪や頭皮の健康状態を良くする天然成分が入っているものが多くあります。そして、多くのヘアカラートリートメントには「無添加」の文字が書かれています。
一般的に無添加と聞くと安全なイメージを持ちますが、ヘアカラートリートメントで表示されている無添加とはどのようなことをいうのでしょうか。実は無添加の意味は、全ての添加物が入っていないということではないのです。
このページでは、白髪染めを選ぶときの判断基準と無添加の白髪染めの選び方についてお伝えします。
このページの目次
無添加とは、全ての添加物が入っていないことを意味する言葉ではない
食品に対してよく使われる、「無添加」という言葉があります。女性でしたら、化粧品にも多く使われているため、なじみがあるのではないでしょうか。
無添加と聞くと、カラダに良さそうな印象を持ちます。悪いものが入っていないイメージがあります。では無添加とは、どのようなことをさして無添加というのでしょう。
無添加の定義は、日本薬事法で定めている、カラダに障害を引きおこす可能性がある102個(日本オーガニックコスメ協会のページに102個の成分表示あり)の成分を含まなければ、「無添加」と表示しても良いことになっています。
つまり無添加とは、特定の物質を使用していないことを表す表現なのです。たとえば、「A」という白髪染めに日本薬事法で定められている「油剤」が配合されていなければ、無添加と表示できます。
また「B」という白髪染めに、日本薬事法で定められている「着色剤」が含まれていなければ、やはり無添加となります。
逆のいい方をすると、「A」の白髪染めの中に、「B」の白髪染めに含まれていない「着色剤」が含まれていても、「A」の白髪染めには指定されている「油剤」が配合されていないため、無添加の白髪染めといえるのです。「B」にも同じことがいえます。
無添加とは、添加物が一切入っていないのではなく、「ある添加物が入っていない」ということを意味する言葉なのです。
ヘナであっても安心できない
これまでお伝えした通り、「無添加」の表示があっても、カラダに害を与える全ての成分が排除されているわけではありません。添加物が一切入っていないものは、「100%ヘナ」だけといえるでしょう。
では、ヘナであれば全て安全なのかというと、そうではありません。商品名に「ヘナ」と書いてあっても、ヘナに色を付けたり不純物を混ぜたりしている商品がたくさんあります。さらに100%ヘナであっても、植物アレルギーの人にとっては毒となります。
また、ヘナで白髪を隠すためには、原料をお湯でといたり染まるまでの放置時間が1時間以上であったりと、手間や時間がかかります。さらにヘナは、染めあがりの色がオレンジ色しかないため、男性の場合、抵抗を感じる人も多いでしょう。
白髪染めを選ぶときは、成分表示を見て判断する
白髪を、植物由来の天然色素だけで、黒色やダークブラウン色に染めることは難しいです。また、薬剤を使わないと染まりぐあいがよくありません。
そのため、どの白髪染めを選んでも少なからず薬剤は使われており、カラダに害があると認識しなければなりません。その中で、どの白髪染めを使えばよいのかを決める必要があります。
白髪染めを選ぶとき第1に重要なことは、有毒性のある成分が入っていないか確認することです。そして第2に大切なことは、髪や頭皮にとって良い成分が配合されているかをチェックすることです。
では、有害な成分とはどのような成分なのか、一方で、髪や頭皮にとって良い成分とはどのようなものか説明します。
白髪染めの中で特にジアミン系成分が有毒
ヘアカラータイプの白髪染めの多くに使われている、ジアミン系の成分は危険です。ジアミン系の成分で白髪染めによく使われているのは、「パラフェニレンジアミン」です。
パラフェニレンジアミンは酸化染料の一つで、過酸化水素水(消毒作用や殺菌作用があり肌に触れると炎症をおこす可能性がある)と混ざりあうことで、髪を永久的に染める働きがあります。
パラフェニレンジアミンは、しっかり髪を染めることができるため、多くのヘアカラータイプの白髪染めに用いられているのです。
ジアミン系の成分は髪をしっかり染められる反面、人体にとって有毒でもあります。ジアミン系の成分を配合した白髪染めを使うことで、頭皮がかぶれたり炎症をおこしたりするなどのアレルギーがおこる可能性があります。
ヘアカラータイプの白髪染めは、ジアミン系の染料と過酸化水素水が混合し髪を着色すると同時に、髪の内部の色素の脱色もするため、1度の使用で白髪がしっかり染まるのです。
つまり、強い薬剤を用いることで、白髪染めを1度使えばしっかり染まり、染めた色が落ちないようになるのがヘアカラータイプの白髪染めなのです。
ヘアカラータイプの白髪染めを使うとき、パッチテストは毎回必須
これまでお伝えしてきた通り、ヘアカラータイプの白髪染めは強い薬剤を配合しています。そのため白髪染めを使うたびに、パッチテスト(白髪染めに含まれている成分でアレルギーがおきないか確認するためのテスト)を行なわなければなりません。
ヘアカラータイプの白髪染めを使うとき、毎回パッチテストを行なわなければならない理由は、ジアミン系の成分を1度使っただけでは、アレルギーがおきない場合があるからです。
有毒成分は、使い続けることで徐々にカラダに蓄積され、一定量(個人差があります)に達したときアレルギーとなって症状が出るのです。パッチテストのやり方はこちら
白髪を隠しながら髪や頭皮をケアする植物由来の天然成分
先ほどもお伝えした通り、白髪染めを選ぶ基準として、髪や頭皮をケアする美容成分が配合されているかどうかも重要です。
髪や頭皮をケアする成分には、まず保湿の目的として、アミノ酸やヒアルロン酸、セラミドなどがあげられます。髪や頭皮を保湿できれば、髪のパサつきをおさえツヤのある髪にすることができます。
また、頭皮の環境を整える成分としてコラーゲンも必要です。頭皮を健康的な状態にすることで、血流が良くなります。頭皮の血流を良くすることで、髪に栄養が行き渡るようになります。結果として、髪が健康になり、ハリやツヤのある髪になるのです。
さらに白髪を隠すには、植物由来の色素も不可欠です。天然由来の色素には、たとえば「クチナシ」や「ウコン」などがあります。
無添加の白髪染めの選び方
白髪染めに「無添加」と表示されていれば、無添加の白髪染めといえます。ただ、前述した通り、無添加と書いてあっても全ての添加物が配合されていないわけではありません。
無添加のヘアカラートリートメントであっても、何かしらの薬剤は使われています。いくつかのメーカーに問い合わせたところ、植物由来の天然色素だけでは白髪を染めることが難しいため、少しの薬剤を使っているそうです。
天然成分だけであれば髪や頭皮には良いが白髪が染まらず、薬剤を多く使えば白髪は染まるが髪や頭皮にダメージを与えてしまうのです。この、髪や頭皮へのダメージと髪の色を染めることを天秤にかけ、各メーカーはしのぎを削っているようです。
つまり私たちが白髪染めを選ぶとき、どのような成分を配合しているのかを確認し、しっかり染まる白髪染めを選ぶか、髪や頭皮への影響を考えるかで、自分で判断することが良いと考えます。
私が白髪を染め始めたとき、白髪染めに害があることを知らずにヘアカラータイプの白髪染めをくり返し使っていました。安くてしっかり染まるからです。
しかしヘアカラータイプの白髪染めをくり返し使っているうちに髪が細くなり、薄毛になりました。私は皮膚へのアレルギーはありませんでしたが、髪にハリがなくなったとこでヘアカラータイプの白髪染めをやめました。
これから白髪染めは、10回、20回とくり返し使うでしょう。そのため、髪や頭皮に与えるダメージが少ない白髪染めを選ぶようにしています。今は、無添加のヘアカラートリートメントを使っています。
あなたが今すぐ白髪を隠すことより、将来の髪の心配をするのでしたら、髪を補修し頭皮環境を整える成分が入ったヘアカラートリートメントをお勧めします。