白髪染めを自宅で行うとき、取扱説明書を読むと「パッチテスト」について書いてある場合があります。パッチテストとは、白髪染めをするときその白髪染めに使われている薬品によって、使用者にアレルギー反応がおこるかどうかを判断するものです。
このパッチテストは、全ての白髪染めに義務付けられているものではありません。ヘアマニキュアタイプ(パッケージに「化粧品」と書かれているもの)の白髪染めは、必ずしもパッチテストが要るものではありません。
一方で、ヘアカラータイプ(パッケージに「医薬部外品」と書かれているもの)の白髪染めには、パッチテストは不可欠な検査です。
なぜならヘアカラータイプの白髪染めを使うと、配合されている薬品によりアレルギー反応をおこす場合があるからです。そのため、頭皮が腫れたりカブレたりすることがあります。したがって、ヘアカラータイプの白髪染めを行うときは、必ずパッチテストをする必要があります。
このページでは、パッチテストの必要性と白髪染めによるアレルギーの症状、対策について説明します。
このページの目次
アレルギーの原因はジアミン
白髪染めによるアレルギーの症状を引きおこす原因の多くは、ヘアカラータイプの白髪染めに一般的に使われている「ジアミン系成分」です。酸化染料(髪を永久的に染めるための主成分)にジアミンが含まれています。つまり、ほとんどのヘアカラータイプの白髪染めに入っている成分なのです。
そのため、白髪染めを使う際はパッチテストを毎回行い、アレルギー反応が出ないことを確認しなければなりません。毎回行なわなければならない理由は、使用者のその時の健康状態によりアレルギーがでたりでなかったりするからです。
酸化染料として使われている代表的な成分として、「パラフェニレンジアミン」、「メタアミノフェノール」、「パラアミノフェノール」、「トルエンー2」、「5-ジアミン」などがあります。これらの成分はアレルギーを引きおこしやすい物質なので注意が必要です。
白髪染めによるアレルギー症状
取扱説明書をしっかり読まずに、パッチテストの存在を知らないまま白髪染めを行う人がいます。一方で、パッチテストのことを知りながら、「面倒くさい」という理由でパッチテストをやらない人も多くいます。
このような人たちがパッチテストを行わずに白髪染めをすると、頭皮が腫れたりカブレたりする場合があります。髪を染めている最中に頭皮がヒリヒリしてきたら要注意です。
「このくらいは大丈夫」などと考えていると、使い続けているうちに髪が細くなったり薄毛になったりします。ひどいアレルギー反応を起こしてしまった例では、呼吸困難になった例もあります。
消費者庁のホームページでヘアカラーによるアレルギー症状の実例を公表しています。以下がそのコメントと写真です。
酸化染毛剤によるアレルギー性接触皮膚炎の患者:1

酸化染毛剤によるアレルギー性接触皮膚炎の患者:2

実際私の友人の父親は、白髪染めのアレルギー反応で顔がパンパンに腫れ上がってしまったことがあります。現在友人は白髪頭ですが、白髪染めに対する恐怖があり「白髪染めは絶対やらない」といっています。
そうはいってもあなたは、「自分はこれまで何度も白髪染めを行っているから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、「前回の白髪染めでアレルギー反応がでなかったため今回も問題ない」という保証はありません。
アレルギー反応は、白髪染めを使い始めてから何回目かに症状がでることがあります。また、本人の当日の体調によりアレルギーをおこすこともあります。前述の通り、ヘアカラーの白髪染めを行う際は、毎回パッチテストをする必要があるのです。
アレルギー反応が出た場合はすぐに白髪染めをやめる
白髪染めをして、頭皮にカユミやカブレが生じたり、抜け毛や薄毛になったりした場合、それは白髪染めによるアレルギーの可能性があります。その場合は、使っている白髪染めをすぐにやめなければなりません。そして医療機関(皮膚科など)に行き、専門家の指示に従ってください。
そのまま同じ白髪染めを使い続けていると、アレルギーの症状がどんどん重症化していきます。息切れや血圧の低下、さらに嘔吐などを引き起こす場合もあります。その結果、身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛を感じたり仕事や日常生活に支障をきしたりします。
アレルギー反応が起きた場合は、白髪を染めることより、まずはアレルギーの症状を改善させることを考えてください。
アレルギー反応が出た白髪染めは使わない
パッチテストの結果、アレルギー反応が起こった場合はその白髪染めは使えません。アレルギー反応が出ない人にゆずるか廃棄するかしてください。
ジアミン系の薬剤でアレルギー反応が出た場合は、他の種類の白髪染めであっても同じ成分が入っている場合は使えません。パッケージなどに書いてある成分表示を確認してから購入しましょう。
白髪染めトリートメントがお勧め
白髪染めによるアレルギー症状が出ないようにするためには、白髪染めのたびにパッチテストをすることが必須です。前述の通り、パッチテストでアレルギー反応が出た場合は、その白髪染めは使えません。しかし、白髪を隠したい気持ちに変わりないと思います。
そのようなときは、ヘアマニキュアタイプの白髪染めトリートメントがお勧めです。多くの商品がジアミン系の薬剤を使っていないため、ヘアカラータイプの白髪染めと比較すると、アレルギー性の皮膚炎を引き起こす可能性が少ないからです。
要は脱色することで白髪を染めるのではなく、白髪の上に黒色を上塗りするタイプの白髪染めに変えるのです。
過去にアレルギー反応が出ているため、「ヘアマニキュアタイプの白髪染めであっても信用できない」と考える人は、白髪染めトリートメントでもパッチテストを行ってください。パッチテストを行ってアレルギー反応がでなければ安心して使うことができます。
特に無添加で自然の原料を成分としている白髪染めトリートメントは、アレルギー反応が出にくいだけでなく、頭皮にやさしく髪を健康にする成分が使われています。
頭皮が健康になり、髪にツヤやハリが出る白髪染めトリートメントは、安心して使うことができるお勧めの白髪染めです。白髪染めトリートメントを使うことで、「頭皮の腫れ」などのアレルギー症状の恐怖から逃れられ、若々しい黒髪を保つことができるのです。